"ツキノウミ" が出来るまで
私にとってこの作品は、インスタレーションアーティストの松澤有子さんとの初のコラボ作品であり、この逗子の地に移り住み、初めて手掛けさせてもらった作品で、企画して下さった長峰さんを始め、沢山の素敵な方々の力を借りて創り上げた、とっても特別で大切な作品の一つとなりました。
観に来て下さる方々の中には、このインスタレーションを 作り上げるという作業 から携わってくれた人や、展示期間中、展示だけを先に観てくれた人、このパフォーマンスで初めて目にする人にも、この3日間だけは 特別な、それでいて松澤有子さんの作品のイメージは壊さずに、むしろそれを膨らませたい!
そして、想像を超える演出を見てもらいたい! そんな思いで創りました。
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まずこの "ツキノウミ" というタイトルは、
私と有子さんが、"どんなのにしようかね〜"
と話していた時に、習い事から帰ってきた
彼女の長男 太郎くんが突然、何の前触れもなく、月を指差して "ねぇあれ月の海っていうんだよ" と言い出しました。
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"え?!" 私と有子さんは、顔を見合わせ、
脳みそに何かが同時に走った。。多分、一緒に(笑)
"へぇ〜" と、返したものの、頭の中でぐるぐるしていたのを今でも覚えています(笑)
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そして、そもそも満月に向かって3日間の公演を予定していた為、月と海を表現に入れたい事は、私と有子さんの中では決まっていたんですが、
そのままじゃね。。と、
タイトルに悩んでいた矢先で、
そしてあのタイミング。
彼の言葉は、私たちの脳みそに衝撃を与えました(笑)
そして、私も有子さんも、あれがキッカケで、
このタイトルにする事を決め、作品創りの基盤となる "流れ" が見えた瞬間でもあり、
有子さんのコンセプトとしてあった詩と、
作品イメージとパフォーマンスする世界観を
結びつける鍵となりました。
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こうして決めた "ツキノウミ" をカタカナ表記にしたのは、ツキ、月、点き、付き、ウミ、海、膿、生み、、、など、色んな観点からこの作品を捉えてほしかったから。
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*ツキノウミとは
実際には地球のように水はないが、濃い色の玄武岩で覆われた月の平原であり、暗く見える部分のこと。
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私たちが創り上げた "空にいちばん近い海 " は、まさに、屋上に広がった 月の海でした。
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松澤有子さんの創る "ぼくたちのうたがきこえますか" という作品の世界を、さらに立体的に、命を吹き込むように、色を付けていくように、そして更に "飛び出す絵本" を観ているような感覚になってもらえるように、子どもから大人まで、沢山の人たちの "感覚" に触れてもらいたい、
そして、動かされるものがあればと願いを込めて、試行錯誤を繰り返しながら完成させました。
この広い空間の中に、無数に設置されたワイヤーや、糸、インスタレーションアートのパーツの中に、アクティングエリアをどう捻出させ、かつ、
インスタレーションの美しさを損ねる事なく、
どうやって踊るスペースを確保するのか、、
これは簡単ではありませんでした。
なにより、有子さんの作品を壊す事なく、
さらに広げる為の試行錯誤は1人の力では本当に限界がありましたし、ましてや、屋外な上に台風の時期でもあり、予想以上に天気や時間、風の影響によって変化する状況下での、照明や、音響、映像、楽器などの調整は、容易ではなく、何度も試してみたものの、思い描いていたものを諦めざるを得ない状況になったことも沢山ありました。
更には、インスタレーション作品自体の完成も大幅に遅れ、全貌が見えぬまま、演出を考え準備を進めていかなければならない状況もあり、臨機応変に対応する力も試されていたような(笑)
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そんな状況の中でも、このコラボ作品を創る上で私が大切にしていた事は、シーンや、流れ、イメージの擦り合わせなどを、必ず有子さんと共有し丁寧に創る事でした。
その上で、演出や、流れ、振付、そして作品構成などは任せてもらいながら、本当の意味でのコラボレーションを実現させるべく、その過程も含めて演出させてもらえた事が、何よりありがたく、自信を持って皆さまにお届けすることの出来た理由の一つだと思っています。
もがきながらも、楽しみつつ、足したり引いたりしながら、プロフェッショナルなスタッフや、出演者の皆さまの力をお借りしながら、こうしてやっと本番を迎えることが出来た訳です。
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そんな快くご理解と、ご協力をして下さった、欠かす事の出来ない方々
まずは、
どうしてもこのインスタレーション作品の中に、生の声、生の音、生の音楽、セッションしていく中で生まれる特別な空間を創り出したく、意味のある偶然の一致。。つまり、
シンクロニシティ的に出会えた、素晴らしいCASTの方々から。。
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優しくて、透明感のある、それでいて強くて、母のような抱擁力を感じさせつつも、
パンチのある、魅力的な歌声と、語り。
素晴らしいパフォーマンスを披露して下さった、唯一無二の存在
Seemaさん
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優しくて美しいそして、どこか深く哀愁を感じさせるような、そのギターの音色が、
この特別な空間に光をさしてくれるような存在。
特別に、今回の為の新たな楽曲も提供して下さり、その研ぎ澄まされた旋律に心動かされました
Terraさん
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その類稀なる感性とテクニックで、
彼にしか出せない音色を奏でてくれました。
この特別な空間を更に立体的に、そして静と動を巧みに操り、時間のゆがみを生み出し流動的なものにしてくれた、なくてはならない存在
トビー洲崎さん
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幼少期の記憶を踊ってくれた、逗子に生まれ育つ、天真爛漫で子どもらしく、元気にバレエ教室に通う女の子。
屋上で何度もリハを重ね、自主練もしてくれて、スイッチが入ってからの彼女の見る目、表現力、度胸のある堂々としたパフォーマンスは、初々しさ、可愛らしさと共に、バレエの美しい動きが伴って、自然と見る人を笑顔にしてくれるような魅力的な
Kid's performer。
そして、彼女の通う 逗子フルールプチバレエの代表 手島陽子さん、お母様の徳島恵麻さんのお力添えにも、心から感謝致します。
Kid's performer
徳島こはくちゃん(逗子フルールプチバレエ)
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オープニング音楽の提供と、
この作品の中で、最も大事な海の中の音を作って下さいました。
顔だけ出して海に浮かんだ時に、水の中にある耳から聞こえてくる、私と有子さんのイメージする海の中の音を再現して下さった
OMBさん
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逗子市の主要人物でもあり、このZAFでも沢山のブースで活躍し、彼らなくして成し得なかったものばかり、、
ここではPA周りを始め、沢山の人たちとを繋げてくれ、経験と実績からの的確なアドバイスや、機材の提供などもして下さいました
粟津義博さん、AKIさん
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パフォーマンスセクションの映像を担当して下さり、映像作家であり、オペレート、セッティングに至るまで、細部に渡りサポートに尽力下さいました。
オープニング映像では、OMBさんの曲をベースに、私の表現したい事をそれ以上のモノにし、本編では、プロジェクターを巧みに操り、様々な場面での表現を駆使して下さいました。
エンドロール映像では、terra氏との生演奏と重ね合わせた美しい映像に。
私にとって、最も大切な良き理解者であり、最も信頼すべき人
TAKEOさん
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沢山のアドバイスや、相談にも乗って下さり
快く機材協力をして下さった
吉田一統さん(株) Dort
(新井さん ライトシップ)
石多未知行さん NIGHT WAVE
本島電気商会の皆さま
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インスタレーション創りのサポートに加えて、パフォーマンス時のアクティングエリアの設置や、照明の配置など、ステージングのサポートの他、沢山の相談にものって下さり、一緒に作業する人たちのケアまで、優しく頼もしくサポートをして下さった
Shinsaku Fukutakaさん
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昇降の出来ない高さ3m近くある鉄骨に登り、炎天下の中、照明やケーブル、布を吊るための基盤を組んで下さった
安田悟さん
浦部裕光さん
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パフォーマンスを映像作品として残すために、撮影条件も悪い中、試行錯誤し、ドローンなども駆使して、彼らのセンスのよさ、素晴らしい感覚と技術をもって記録映像撮影と編集をしてくれた
AKIRA SASAKI 氏 BYNAZR co.ltd. (旧creators)
(Assistant : KAZUKI、KOUSUKE、Moe)
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お越し下さった方々にお配り為るための、冊子と、屋上へ上がるまでの階段に施した
"詩を読み進めた先に広がる屋上の作品" へ導くための文字を作って下さった
太田奈津子さん
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PA卓用のテントを貸して下さった他、
インスタレーションのパーツ製作、
海での海洋プラ拾いなどなど、
毎日のように足を運び、惜しみなくこのプロジェクトに手を貸して下さった
砂絵アーティストの宮地淳子さん
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湘南のレジェンドB-boyであり、数多くの教え子を持ち、彼の人柄の素晴らしさに多くの人が信頼を寄せ、イベントやコンテストのオーガナイザーも務めるICHIさん。
そのICHIさんがパーソナリティを務める
レディオ湘南83.1MHz 'いっちゃんのpeaceful beats' に出演させて下さり、宣伝の手助けをして下さいました
CALVO道場の代表 ICHIさん
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演出に使用するための椅子を貸してくれ、
宣伝に力を貸して下さった
純粋 中村宣裕さん
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逗子在住の役者であり、ステージを数多くこなす尊敬すべき信頼する先輩。
私が演出しながらも出演していた為、代わりに全体を見てもらいたく、一回だけ通し稽古を見てほしいとお願いしました。
作品を客観的な視点で捉え、経験と実績からのアドバイスや、公演をするにあたり、目的や目指すべき方向性など、的確に、そしてきちんと意見を下さいました。 フードとドリンクを提供する形が実現出来たのも、実はお2人のアドバイスがあったから
斉藤直樹さん、陽子さん ご夫妻
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普段から衣装さんとしても、お世話になって
おり、今回の作品についても沢山のアドバイスと、ステージングサポートとして、
映像を映す為の大量の布を快く提供して下さり、ミシン持ち込みで、何十メートルもの布を縫い合わせ、形にして下さいました。
あたたかく、さりげないお心遣いをいつも下さる
岩崎みどりさん
岩崎めいさん
まきこさん
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私のヘアメイクのアドバイスと、
この3日間の為だけに、外観からのアプローチとして、鉄骨に装飾を施してくれました。
彼女の持つセンスのよさ、感覚、その人となりに、私が絶対的な信頼を寄せる大切な存在。
rinrin さん
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逗子在住のヨガのインストラクターとして活動し、彼女の人柄のよさから集まった人脈の広さから、口コミでたくさんの人たちを繋げてくれ、かつ、
自らも海洋プラ拾いから、インスタレーションのパーツ作り、ステージングサポートまで手伝ってくれ、私の良き理解者であり、相談相手まで、幅広くそして惜しみなく沢山協力して下さった
三石祐子さん
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そして、私の作品創りに力を貸してくれた、
愛すべき教え子と仲間たち
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公演を滞りなく円滑に進行するための準備から、当日の受付周り、お手伝いチームの統括をつとめ、安心してパフォーマンスに専念させてくれた
滝川智子
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彼女の感覚とセンスを見込んでお願いしました。短期間で機材の操作を習得し、何度も確認しながら、パフォーマンス中の照明のオペレートを手伝ってくれた
メイ
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見る力と、誠実で思いやりの心を持つ彼女。kids performerのこはくちゃんのアテンドと、タイムキープを手伝ってくれ、全体の流れを把握しながらサポートしてくれた
泉谷麻耶
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寒い中、セッティングから、リハーサル、
そして本番中のステージ裏で、幕や小道具などの操作を手伝ってくれた
mika
eMiRi
kANA
Lisa
EriNa
神 亜優
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リハーサルから本番まで、お客様対応や、
受付、会場案内など、様々な雑用までもこなし、快くお手伝いスタッフとして尽力してくれた
ShiHoko
U-CHAN
RiHO
tomozo
mayumiN
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長期間に渡り、作品作りへのあたたかいご理解とご協力、そして公演当日のフードとドリンクを提供して下さった
株式会社スズキヤ
大川店長 はじめスタッフの皆さま
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場所を提供して下さり、安全に円滑に進められるように、あたたかいご理解とご協力をして下さった
菊池地所株式会社 菊池社長
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時間を見つけては足を運んで下さったり、
宣伝など、沢山のサポートをして下さった
さなかじさん始め、縁の下の力持ち的存在の
ZAFボランティアスタッフの皆々様
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このプロジェクトを取り上げる為に、
足を運んで取材し、気持ちのこもった記事を書いて下さった記者の方々
逗子葉山経済新聞 さん
逗子広報 さん
faavo湘南 さん
FMブルー湘南 さん
湘南ビーチFM さん
他
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ここには、書ききれないほどの、
あたたかく見守りつつ、手を差し伸べて下さった皆々様
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足を運んで観に来て下さった沢山のお客様方
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そして、コラボレーションすることを引き受けてくれた
松澤有子さん
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この思いを受け入れ、企画し、
沢山の背中を押してくれた
長峰宏治さん
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心から感謝します
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こうして、沢山の方々に支えられ助けられながら、ツキノウミは完成したのでした。
BYNAZR のAKIRA氏達が撮影、編集して下さった本編と、創っていく過程からを繋いでくれたダイジェスト版の映像も、
是非 合わせてご覧下さいませ☆
"ツキノウミ" Direction & Performance
Chii (落合千晴)
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